今回で11回目となる、青年会主催・聖書研究会の内容のご紹介。今回は『列王記上』となります。
【列王記上について】
・列王記もサムエル記と同様に、元来、一つの書物であったが、長すぎたため、上下に分けられた。
・列王記上はサムエル記に続くイスラエルの歴史を伝えているが、分裂した北イスラエル王国と南のユダ王国のそれぞれの王の治世が交互に描かれている。北イスラエル王国はBC722年にアッシリアに滅ぼされ、南のユダ王国は586年に滅亡し、バビロン捕囚となる。
列王記上は、ヨシヤ王(列王記下22~23章)以前の歴代の王の悪を示し(列王記下23:25)、神に立ち帰らなければならないことを教えた。
・列王記では、神に不忠実な王が続き、預言者エリヤがバアルの預言者たちと対決し、勝利した。イゼベル王妃の敵意により、エリヤは南に逃れ、エリシャを後継者とするようにとの主の御声を聞いた(19:12~18)
・BC10世紀初頭~BC9世紀中頃の出来事
【列王記上のあらすじ】
*ソロモンの即位
1章 アドニヤ(ダビデの四男、上は亡くなっていた)は王位を取ろうした。(5)。
2章 ダビデはイスラエルの王であったのは40年間だった(11)。ソロモンが王に
つき、その支配は確立した(12)。
*ソロモンの治世
3章 ソロモンは民を正しく裁き、善と悪を判断できる知恵を、主に求めた(9)。
ソロモンはエルサレムに帰り、主の契約の箱の前で献げ物をささげた(15)。
4章 ソロモン王は全イスラエルの王となった(1)。
5章 ソロモンはユーフラテス川からペリシテ人の地方、更にエジプトの国境に至るま
で、すべての国を支配した(1)。神殿建築用の人材や木材、石材を整えた(32)。
6章 神殿は細部に至るまで計画どおりに完成した。その建築は7年を要した(38)。
7章 ソロモン王は祭具を作らせ、主の神殿の宝物庫に納めた(48~53)。
8章 祭司たちは主の契約の箱を至聖所に運び入れた(6)。箱の中には石の板2枚のほか何もなかった(9)。
9章 ソロモンは20年を費やして主の神殿と王の宮殿を建てた(10)。
10章 シェバ(アラビア半島の南端にあった国?)の女王が主の御名によるソロモンの名声を聞き、来訪した。(1)。ソロモンの知恵と富は想像以上であった(7)。
11章 ソロモンは700人の王妃と300人の側室がいた(3)。外国生まれの妻と同様に偶像礼拝を行い、主はお怒りになった(9)。ソロモン仕えていたヤロブアムは北の10部族(イスラエル)の王となると預言された(26~37)。ソロモンはヤロブアムを殺そうとしたが、エジプトに逃亡して、ソロモンが死ぬまで、エジプトにとどまった(40)。
*王国の分裂
12章 ソロモンの死後、ソロモンの息子レハブアムがユダの(2部族)の王となった(20)。レハブアム王は金の子牛ベテルとダンに置いて(29)、偶像礼拝をおこなった。
13章 レハブアム王は偶像礼拝をから立ち帰ることがなかった(33)。
14章 ヤロブアムが王であった期間は22年で、その子ナダブが代わって王となった。
ユダではレハブアムが17年間エルサレムで王位にあった(21)。その子アビヤムが代わって王となった(31)。エジプトの王がエルサレムに攻め上って、主の神殿と王宮の宝物をすべて奪い取った(26)
15章 アビヤムは30年間王位にあった(2)。父のようにすべての罪を犯した(3)。アビヤムの子アサが王となった(8)。アサは41年間王位にあった(10)。アサは主の目にかなう正しいことを行い、偶像をすべて取り除いた(11~13)。ナダブがイスラエルの王となり、2年間治めた(25)。バシャがナダブを殺し、代わりに王となった(28)。バシャは24年間王位にあった(33)。
16章 バシャの子エラはイスラエルで2年間王位にあった(8)。エラの家臣であったジムリが謀反を起こし、王となった(10)。7日間王位にあったが(15)、軍の司令官オムリが謀反を起こし、王となった(16)。オムリは12年間王位にあった(23)。オムリの子アハブは22年間王位にあった(29)。
17章 預言者エリヤはアハブ王に干ばつを預言した(1)。
18章 バアルの預言者450人と対決し、主の火が降って、エリヤが勝利した。エリヤはアハブ王に干ばつの終わりを預言した。
19章 エリヤがバアルの預言者を皆殺しにしたことを、アハブ王は王妃イゼベルに告げた(1)。イゼベルを恐れてエリヤは逃げた(3)。エリシャをエリヤに代わる預言者とせよと、主に告げられた(16)。
20章 イスラエル軍はアラム軍を打ち倒した(29)。
21章 イゼベルの悪巧みで殺されたナボトのぶどう畑を、アハブは手に入れたが、エリヤに告げられ、悔い改めた(27)。
22章 アハブ王は戦いが激しくなり、息絶えた(35)。ユダの王ヨシャファト25年間王位にあった(42)。主の目にかなう正しいことを行った(43)。アハブの子アハズヤは2年間イスラエルの王位にあった(52)。主の目に悪とされることを行った(53)。
・政治的に繁栄を広げようとしたことで、神への不従順(偶像礼拝)の要因となった。
ソロモンはエジプトの王の婿となった(3:1)
エジプトの王がエルサレムに攻め上って、主の神殿と王宮の宝物をすべて奪い取った(14:26)
【質疑応答】
⓵1:42 勇敢な男というだけで、なぜ良い知らせがあると思ったのか?
祭司の子ヨナタンは勇気をもって、アドニヤに優位なこと(支持者が増えるなど)を語ってくれるかと期待したからと考えられる。
②2:15 なぜアドニヤは、王位は自分のものだと思った?
アドニヤはダビデの四男(サムエル記下3:2~4)で、上の三人は亡くなっていたから
長男アムノンは三男アブサロムに命を奪われ(13章)、アブサロムは(18章)はヨアブ(ダビデ軍の司令官)に命を奪われた(18章)。
③ 11:27 ミロとはなに?
エルサレムの南東部「ダビデの町」の東斜面を補強して町を拡大した部分のこととされている。「ミロ」はへブル語で「埋める」「満たす」を意味する。
④14:2なぜヤロブアムの妻は変装した?
ヤロブアムは悪の道を離れて立ち帰ることがなかった(13:33)。そのような状態で、ヤロブアムの息子アビヤが病気になった(14:1)。ヤロブアムは預言者に頼っているとは思われたくなかったので、アブサロムの妻と知られないように姿を変えて、預言者アヒヤのところに行くように言ったと考えられる。アヒヤはソロモンの死に先立って、ヤロブアムが北の部族の王になると預言した人物(11:29~40)。
【参加者の感想】
・読んでいて面白かった。知恵をもらったはずなのに、偶像礼拝をしてしまうのは、人間の難しさを感じた。
・学校の世界史に載っていることが、聖書にも載っていて面白かった。
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