top of page
執筆者の写真明裕 橘内

青年たちの聖書研究〜第九回『サムエル記上』編〜

青年会主催の聖書研究会の内容をご紹介してますが、第9回目となりました!

第9回 聖書研究会 「サムエル記上」

【サムエル記上について】

・サムエル記は、元来、一つの書物であったが、長すぎるので、旧約聖書がギリシア語に訳された(紀元前3世紀頃)時に分けられた

・神に選ばれたサムエル、初代の王サウル、イエス様の祖先となる王ダビデが描かれている

・サムエルは最後の士師、また、王政の創始者とも言える

・BC1080年頃~BC1010年頃の出来事


【サムエル記上のあらすじ】

1章 ハンナは主に熱心に祈り、男の子を産み、サムエル(その名は神)と名付けた。(20)

2章 祭司エリの息子たちはならず者で(12)、一方、少年サムエルはすくすくと育ち、主にも人々にも喜ばれる者となった(26)。

3章 主はサムエルに「エリの家を裁く」と語られた(13)。イスラエルの人々は、サムエルが主の預言者として信頼するに足る人であることを認めた(20)。

4章 イスラエル軍はペリシテ軍に打ち負かされたので(2)、主の契約の箱をシロから陣営運んだ(3)。しかし、イスラエル軍は大敗し、エリの息子もエリも亡くなった(11)。

5章 ペリシテ人は神の箱を奪い(1)、ダゴン(雨と肥沃を司る神)の神殿に運び入れた(2)。災難をもたらすので、神の箱は様々な場所に運ばれた。

6章 主の箱は7カ月間ペリシテの地を転々としたが(1)、賠償の献げ物と共にイスラエルに返された。

7章 主の箱がキルヤト・エアリムに安置された日から、20年後、イスラエルの民はサムエルを通して助けを求めた(2)。その後、ペリシテ人はサムエルの時代、イスラエルの国境を侵すことはなかった(13)。

8章 サムエルは年老い、裁きを行う者として二人の息子を任命したが(1)、賄賂を取って裁きを曲げた(3)。イスラエルの長老たちは「裁きを行う王を立ててください」と願った(6)。

9~10章 サムエルによって美しい背の高いサウル(2)は油注ぎを受けた。神の霊が激しく降り(10:1)、預言をするようになった。民は「王様万歳」と喜んだ(10:24)。

11章 サウルはアンモン人からヤベシュの人々を戦い守った(1)。

12章 サムエルは全イスラエルに向かって「主に心を尽くして仕えなさい」と語った(20)。

13章 サウルは王となって一年でイスラエル全体の王となった(1)。妻子であるサムエルの到着を待たずにサウルは焼き尽くす献げ物を行ったので(8)、サムエルから「王権は続かない。主がお命じになったことを守らなかったからだ。」と言われた(14)。

14章 ヨナタンと従卒はペリシテ軍に勝利を収めた。

15章 アマレク人を滅ぼし尽くせと主に命じられたのに(18)、サウルは果たさなかった(19)。

16章 サムエルはダビデに油を注いだ。その日以来、主の霊が激しくダビデに降るようになった(13)。ダビデは竪琴の名手であり、勇敢な戦士だった(18)。

17章 ダビデは神様が守ってくださると信じて(37)、ペリシテ人のゴリアトと戦い、討ち取った(51)。

18章 サウル王はダビデを戦士の長に任命したが(5)、ダビデをねたむようになった(9)。主はダビデと共におられ、サウル王から離れ去られたので、サウル王はダビデを恐れた(12)。数々のペリシテ人との戦いに勝利したので、サウル王は次女ミカルをダビデに与えた(21)。

19~21章 サウル王は息子ヨナタンと家臣にダビデを殺すように命じたが、ヨナタンはダビデに深い愛情を抱いていたので(19:1)、ダビデをかばった。サウル王の敵意は収まらず、ダビデはヨナタンの助けによって逃れ、祭司アヒメレクのところに行った(21:2)。そして、ガドの王アキシュのもとに行ったが、気が狂ったと見せかけた(21:15)。

22章 そこを出ると、ダビデの親族や困窮している者などが集まり、400人ほどの者がダビデの周りにいた(2)。

23章 サウルは絶え間なくダビデをねらったが、神はダビデをサウルの手に渡されなかった(14)。ヨナタンがダビデのもとに行き、「イスラエルの王となるのはあなただ」と言い、主の御前で契約を結んだ(17)。

24章 ダビデはサウルと再会したが、主が油注がれた方であるので、サウルを殺さなかった。

25章 サムエルが死んだので、全イスラエルが集まり、彼を悼み、葬った(1)。

ナバル(愚か者)の妻アビガイルはダビデの従者に贈り物を届け、ナバルの従者たちを守った。ナバルは亡くなり、アビガイルはダビデの妻となった(42)。

26章 また、ダビデはサウルと再会したが、サウルを殺さなかった。

27章 ダビデはいつかサウルの手にかかるにちがいないと思い、家族と600人の兵と共にペリシテのガドに逃れた(2)。それを聞いたサウルは二度とダビデを追跡しなかった(4)。

28章 サムエルが国内から追放していた口寄せの女(3)を訪ね、サムエルの言葉を求めると、「主がサウルから離れられたので、イスラエル軍はペリシテ軍に敗北する」と語られた(19)。

29章 ダビデはガドの王アキシュからは良い人間だと理解された(9)が、他の武将たちからは一緒に戦えないと言われ、ペリシテ軍から離脱した。

30章 ダビデの留守にアマレク人の略奪隊に家族や財産を略奪されたので、取り返しに行き、さらに家畜の群れを得た。ダビデがさまよい歩いた頃のユダの長老たちに贈り物をした(31)。

31章 ペリシテ軍によって、サウルとその三人の息子やその兵は皆死んだ(6)。


【注目点】

・神様は思いがけない人物を選ばれる

・サムエル記は、士師から王へ、祭司から預言者と移行していく時代の物語


【質疑応答】


⓵4章19節「エリの嫁にあたる、ピネハスの妻」

祭司エリの息子ピネハスの妻。4章11節では亡くなったと記されている。


②5章2節「ダゴン」

雨と肥沃を司る神とされ、古代中近東全域で広く礼拝されていた。アモリ人カナン人ペリシテ人も自らの神とした。


③11章9節「日の盛りのころ」

午前10時頃から午後3時頃


④20章3節「死とわたしとの間はただの一歩です」

死とダビデは近い、つまり、サウルに殺される可能性が高まったということ。


⑤サウルは、一度はダビデに対する激しい嫉妬から改心したように見えた(24:17-18)のに、なぜその後もダビデを追いかけ回し、挙句神に見放されるまでに至ったのか?


ペリシテ軍に勝利することが第一の目的となり、サウルは主の声に聞き従わなかったから(28章18節)

サムエルの祭司の働きを逸脱したり(13章)を、サムエルが追放した口寄せに頼ったりした(28章3節)。


⑥これまでの旧約聖書の主要人物と違い、ダビデには一切欠点がない。人間に完璧はあり得ないはずなのに、なぜダビデは「完璧な人間」になり得たのか?


サムエル記上では、ダビデは「完璧な人間」のようだが、サムエル記下11章からはダビデは罪を重ねることが書かれている。


【感想】

・サウル王は神様に選ばれた人物に関わらず、強烈な嫉妬を抱いてしまう。

→15:11「サウルを選んだことを後悔した」という言葉が印象に残った。

・クリスマスで有名な「エッサイの根より」という由来がサムエル記上にあったことを知った。

・末っ子や次男という当時、権利が弱かったであろう人々を神様は大事にされていると感じた。

・2:25「人が人に罪を犯しても、神が間に立ってくださる。だが、人が主に罪を犯したら、誰が執り成してくれよう」という聖句が気に入った。


閲覧数:5回0件のコメント

最新記事

すべて表示

青年たちの聖書研究~第32回『ヨエル書』

2024年7月21日の学びの記録です。 【ヨエル書について】 ・ヨエル書は、12の小預言書(ホセア書~マラキ書)の2番目にあり、預言者ヨエルに語られた主(しゅ)の言葉である。 ・ヨエルは「主(ヤハウェ)は神」という意味であるが、ペトエルの子であることの他は記されていない。...

青年たちの聖書研究~第31回『ホセア書』

【ホセア書について】   ・ホセア書は十二の小預言書(ホセア書~マラキ書)の最初の書で、分量的に少ないので小預言書と言われる。年代順には並んでいない。 ち なみに、大預言書は、 イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書。...

青年たちの聖書研究~第30回『ダニエル書』

【ダニエル書について】 ・ダニエル書は数々の預言が記され、黙示と言われる文学様式で描かれている。黙示は象徴や視覚的表現を多用して、出来事の背後にある意味を示す文学形式で、最終的には神様に忠実な信仰者が様々な敵に勝利することが記されている。(12:3)...

Comments


bottom of page