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「新約聖書の学び」第3回 マタイによる福音書4章

  • 執筆者の写真: 明裕 橘内
    明裕 橘内
  • 51 分前
  • 読了時間: 5分

新約聖書の学びの第三回目、マタイによる福音書4章の学びをご紹介します(担当:橘内玲子)


【マタイによる福音書4章】

 荒野での悪魔の誘惑に打ち勝ったイエス様は、ガリラヤで伝道を開始され、その活動は大きな広がりとなっていった。大勢の民衆がイエス様に従っていった。

 

【4章】メシヤの公生涯の始まり、そして広がり

≪1~11節 悪魔から誘惑を受けられる≫

・1節 悪魔

「中傷する者」という意味で、人間を誘惑して神様に反逆させる者。悪の勢力の指導者。

(中傷とは、根拠のないことを言いふらして、他人の名誉を傷つけること)

・1節 “霊”

聖霊を示す。マタイ3:16にも記されている神様の霊。

・2節 断食

ユダヤ人は、罪を悔いていることを表すために特別な断食の期間を設定していた。

・2節 四十日間

モーセは契約の板(十戒)を受け取るために山に登った時、四十日四十夜、パンを食べず水も飲まなかった(申命記9:9)。

・「四十」は試練を示す数字

【あなたの神、主が導かれたこの四十年の荒れ野の旅を思い起こしなさい。こうして主はあなたを苦しめて試し、あなたの心にあること、すなわち御自分の戒めを守るかどうかを知ろうとされた。(申命記8:2)】

・3節「神の子なら」できるのではないかと、誘惑した。

①石がパンになるように

・4節 申命記8: 3からの引用

【主はあなたを苦しめ、飢えさせ、あなたも先祖も味わったことのないマナを食べさせられた。人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることをあなたに知らせるためであった。】

②飛び降りたら

・6節 詩編91:11~12からの引用

【主はあなたのために、御使いに命じて/あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。

彼らはあなたをその手にのせて運び/足が石に当たらないように守る。】

・7節 申命記6: 16からの引用

【あなたたちの神、主を試してはならない。】

③サタンを拝むなら

・10節 申命記6章:13からの引用

【あなたの神、主を畏れ、主にのみ仕え、その御名によって誓いなさい。】

・11節 【そこで、悪魔は離れ去った。すると、天使たちが来てイエスに仕えた。】

 

☆以上の誘惑は、すべて十字架を避けて安易な道に導く誘惑であった。

 イエス様が悪魔からの挑戦に打ち勝たられると、天使たちがイエス様に仕えた。

☆悪魔の計画は、イエス様に罪を犯させることであった。

「メシア(神の子)であることを証明せよ」との悪魔からの挑戦であると考えられる。

 しかし、イエス様を荒野に導いたのは神様の計画である。

 悪魔の誘惑にさらすことで、イエス様が罪のない神の子であることを証明した。

 罪がないのでなければ、すべての人の救い主となることができないので。

 

◎悪魔に打ち勝つ方法は、状況にふさわしいみことばを引用し、それを適用すること。

 この箇所において、イエス様がお手本を示された。

 

≪12~17節 ガリラヤで伝道を開始≫

・12 節 先駆者が苦難に会うなら、メシアも苦難に会う可能性があるので。

 ・13 節 ナザレを去ってカペナウムへ。ナザレよりもカペナウムは大きな町であった。

・ 14~16 節は、イザヤ9:1~2の成就。

【闇の中を歩む民は、大いなる光を見/死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。

あなたは深い喜びと/大きな楽しみをお与えになり/人々は御前に喜び祝った。刈り入れの時を祝うように/戦利品を分け合って楽しむように。】

 

・16節「暗闇の中」、「死の地と死の陰」 に、「光が差し込んだ」。

・17節 【そのときから、イエスは、「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言って、宣べ伝え始められた。】

 

≪18~22節 四人の漁師を弟子にする≫ ペトロ、アンデレ、ヤコブ、ヨハネ

・ペトロとアンデレは兄弟、また、ヤコブとヨハネも兄弟であるので、2組の兄弟。

 四人はバプテスマのヨハネの弟子(ヨハネ1~2章)であった。

 四人は大漁の奇蹟を経験している(ルカ5:1~11)。

 

☆弟子が志願するのではなく、指導者が弟子を召している点が、特徴的である。

 「網を捨てた」とは、イエス様に対する全面的な信頼を表している。

 

 ≪23~25節 宣教の広がり≫

・23節 イエス様はガリラヤの諸会堂で、御国の福音を宣べ伝えられた。

 イエス様は、ユダヤ人の会堂を回って、ユダヤ人たちに対して、御国の福音を伝えられた。

 

☆「御国の福音」(神の国の福音)とは、イエス様がユダヤ人の王として到来したということ。

 まだ、イエス様が全人類の罪を負って十字架につくということはイエス様からは語られていない。

・23節 民衆のありとあらゆる病気をいやされたのは、イエス様の権威を奇跡によって、示している。

 

・24節 ガリラヤからシリアへと、イエス様の評判が広まった。

 ①ガリラヤ

 ②デカポリス(10のギリシア風の都市)

 ③エルサレム(ラビ的ユダヤ教の中心地)  

 ④ユダヤ(南部の地域)

 ⑤ヨルダンの向こう岸(ヨルダン川の東側)

 

☆イエス様は、もはやガリラヤ出身の無名の人物ではなくなった。

 神の国の宣教は、短時間のうちに、力強く民衆を動かしていくこととなった。


【感想】

・イエス様が試練を受けられた時に、「聖書にこう書いてある」という風に引用していたことは知っていたが、実際にその箇所がどこなのかは分かっていなかったので、今回、聖書箇所も知る事ができてよかった。

・マタイの初めの部分では、イエス様はユダヤ人の救いについてしか触れられていないということは知らなかったので新しい発見だった。そういう意味で、旧約聖書からの継続性があるのかなとも思った。

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