第14回 聖書研究会 「歴代誌下」の内容のご紹介です!
【歴代誌下について】
・歴代誌下は、歴代誌上と同様に、バビロン捕囚から帰還した人々に、敬虔な礼拝の使命を思い起させ、敬虔な王たちからは励ましを、背信の王たちの結末からは警告を与えようとした。
・1章~9章は神殿建築を成し遂げたソロモンの知恵や富について、10章~36章は南王国ユダの王たちのみの歴史が記されている。神を礼拝し、神の言葉に従って歩んだ王たちには物質的繁栄、軍事的勝利が与えられ、逆に、偶像礼拝を行った王たちには敗戦、滅亡が与えられた。
【歴代誌下のあらすじ】
*ソロモンの神殿建築
1章 神からソロモンは民を裁くための知恵、また富や名誉が授けられた(12)。
2章 ソロモンはティルスの王フラムから神殿建築のための材料と人材を送るように交渉した。
3章 ソロモンは神殿に至聖所を造った(8)。神殿の構造について。
4章 ソロモンは青銅で祭壇を造り(1)、神殿に置くためのあらゆる祭具を作った(19)。
5章 祭司たちは主の契約の箱を至聖所に運び入れた(7)。箱の中には石の板2枚(10)。
6章 戦いの時に助けてください(34)、罪を犯した民を赦してください(39)と、ソロモンは祈った。
7章 主の神殿と王宮が完成した(11)夜、主は「民が主に従う時は耳を傾ける」と言われた(15)。
8章 ソロモンは20年を費やして主の神殿と王宮を建て終わった(1)。町を再建した(2)。
9章 シェバの女王がソロモンの知恵や宮殿や家臣(3,4)に驚いた。レハブアムが王となった(31)。
*分裂王国時代
10章 北イスラエルのヤロブアム王は、レハブアムに過酷な労働の軽減を求めたが聞き入れられなかった(15)。
【北イスラエル王国10部族(列王記上11:26~40)、南ユダ王国(ユダとベニヤミンの2部族)】
11章 イスラエル中の祭司とレビ人は、そのすべての領土からレハブアムのもとに集まって来た(13)。
ヤロブアムとその子らが主の祭司であることをやめさせたからである(14)。
12章 レハブアムは主の律法を捨てた(1)。エジプトの王シシャクはエルサレムに攻め上り、主の神殿と王宮の宝物を奪い取った(9)。
13章 アビヤが王となった。神はヤロブアムの兵を撃退された(15)。ヤロブアムは主に撃たれて死んだ(20)。アサが王となって10年間、国は平穏であった(23)
14章 アサは、主の目にかなう正しく善いことを行った(1)。
15章 アサの治世第35年まで戦争はなかった。(19)
16章 イスラエルの王バシャはユダに攻め上って来たので、アラムの王ベン・ハダドを頼みとした。
17章 ヨシャファトは先祖の神に従って歩んだ(4)。ペリシテ人から貢ぎ物が送られた(11)。
18章 ミカヤの預言の通り、イスラエルのアハブ王は息絶えた(34)。
19章~20章 ヨシャファトはモアブ人やアンモン人が戦いを挑んだ時(1)も、主に祈り、守られた。
その後、ヨシャファトはイスラエルの王アハズヤと協定を結んだ。この王は悪を行った(35)。「アハズヤと協定を結んだため、主はあなたの事業を打ち壊される」と預言され、そのようになった(37)。
21章 ヨラムは父の国を支配下において勢力を益すと、自分の兄弟や高官を殺した(4)。預言者エリヤからの手紙で「ユダヤとエルサレムの住民に偶像礼拝をさせ、兄弟を殺したので、財産を無くし、悪質な病気になると告げられた(13~15)。ヨラムは惜しまれることなく、世を去った(20)。
22章~23章 アハズヤは主の目に悪とされることを行った(22:4)。イエフによって命を絶たれた(22:9)。アハズヤの母アタルヤは王族をすべて滅ぼそうとした(23:10)。アハズヤの子ヨアシュは神殿の中に隠されていた(23:12)。祭司ヨヤダの命で殺された(23:15)。こうして、国の民は皆喜び祝った。アタルヤが剣で殺された後、町は平穏であった(23:21)。
24章 ヨアシュは祭司ヨヤダの生きている間は主の目にかなう正しいことを行った(2)。ヨアダの死後、先祖の神を捨て、偶像に仕えた(18)。ヨアシュはアラム軍により殺された(25)。
25章 アマツヤは主の目に正しいことを行った(2)が、エドム人の討伐から帰った後、セイル人の神々を導入した(14)。イスラエルの王を挑発したが(19)、惨敗した(22)。15年後、謀反によって殺された(27)。
26章 ウジヤは主の目にかなうことを行った(4)。ウジヤは勢力を益とともに思い上がって堕落し、主に背いた(16)。ウジヤは死ぬ日まで重い皮膚病になり、隔離された家に住んだ(21)。
27章 ヨタムは主の目にかなう正しいことを行った(2)。ヨタムは主なる神の御前をたゆまず歩き続けたので、勢力を増すことができた(6)。
28章 アハズは主の目にかなう正しいことを行わなかった(1)。主の怒りを招いた(25)。
29~32章 ヒゼキヤは主の目にかなう正しいことをことごとく行った(29:2)。主の神殿における奉仕が復活した(29:35)。すべてのイスラエルに通知を送り、主のために過越祭を行うように呼びかけた(30:5)。
冷笑し、嘲る人々もいたが、謙虚になってエルサレムに行く者もあった。(30:10~12)。過越祭を盛大に行った。ソロモンの時代以来、このようなことが行われたことはなかった(30:26)。主はヒゼキヤとエルサレムの住民を、アッシリアの王センナケリブおよびあらゆる敵から救い、安らぎを与えられた(32:22)
33章 マナセは主の目に悪とされることを数々行って主の怒りを招いた(6)。そこで主はアッシリアの将軍たちにマナセたちを攻めさせられた。マナセは捕られ、バビロンに引いて行かれた(11)。彼は苦悩の中で先祖の神に深くへりくだり、神はその祈りを聞き入れ、再び彼をエルサレムの自分の王国に戻された。
こうしてマナセは主が神であることを知った(12~13)。アモンは主の目に悪とされることを行い(22)、家臣によって殺害された(24)。
34章~35章 ヨシヤはユダとイスラエルの国中で異教の祭壇を取り壊した(34:7)。ヨシヤが主の神殿を修理させていると、祭司ヒルキヤがモーセによる主の律法の書を見つけた(34:14)。ヨシヤはユダのすぺての人々に主の神殿で見つかった契約の書を読み聞かせた(34:30)。ヨシヤはこの書に記されている契約の言葉を実行することを誓った(34:31)。ヨシヤはエルサレムとベニヤミンにいるすべての者に誓わせた(34:32)。ヨシヤは過越祭を祝った(35:1)。預言者サムエルの時代以来、このような盛大な過越祭
が祝われたことはなかった(35:18)。エジプトの王ネコが攻めて来た。ヨシヤは神の口から出たネコの言葉を聞かなかったので(35:22)、殺された(35:24)。
36章 ヨハズヤは王となったが、エジプトに連れて行かれた(4)。ヨヤキムは王となったが、バビロン(6)に引いて行かれた(6)。ヨヤキンは王となったが、バビロンに連れて行かれた(10)。ゼデキヤは王となったが(11)、主の言葉を告げる預言者エレミヤの前にへりくだらなかった(12)。主はカルデア人の王に攻め上らせた(17)。剣を免れて生き残った者は、バビロンに連れ去れた(20)。この荒廃の70年後(21)、ペルシアの王キュロスは「主がユダのエルサレムに神殿を建てることをわたしに命じられた。あなたたち
の中で主の民に属する者はだれでも、上って行くがよい。」と布告をした(22~23)。
【注目点】
*歴代誌下では
・ソロモンがエジプトの王の婿となり、偶像礼拝を行ったこと(列王記上3:1~3)、外国人の妻から偶像礼拝に至ることは省かれている(11:1~8)。
・ユダの王マナセの改心が描かれている(33:12,13)。列王記には記されていない。
*過越祭と除酵祭 (30:1、35:17)
過越祭は、神がイスラエルの民をエジプトから救い出したことを思い起こすための祭り。
除酵祭は、荒れ野での暮らしを思い起こすため、祭りの間には酵母を入れないパンを食べる。
過越祭の翌日から始まるので、この二つの祭りは一つの祭りのように表現されている。
【質疑応答】
① 3:7 ケルビムとはどんな存在?天使と同じ?
ケルビムは天的存在の象徴で、手足や翼を持つ像として表現されている。ケルビムには4つの顔がある(エゼキエル10:14)。至聖所にある契約の箱の両側に互いに向かい合う置かれ、契約の箱を守るものと考えらえた。
天使は超自然で霊的な人格的存在と言えるので、ケルビムも天使に含まれると考えられる。
② 16:7 預言者と先見者は違う役割をしている?
昔、イスラエルでは神託を求めに行くとき、先見者のところへ行くと言った。今日の預言者を昔は先見者と呼んでいた。(サムエル記上9:9)
③ 16:10 「民の中のある者たち」とはどんな人たち?(差別があった?)
アサに反対していた者たちかと思われる。
④27:2 「主の神殿に入らなかった」とは、どういうこと?本来なら、入って何をすべきだった?
父ウジヤ王が思い上がって、主の神殿に入り、香をたこうとした。祭司アザルヤに忠告を受け、重い皮膚病になり、主の神殿に近づくことを禁じられた(26:16~21)。
【感想】
・歴代誌と列王記を比較することで、両者の違いがよく分かった。
・似た名前の王がよく出てきて、最初は読みにくかったが、区別できてくると歴史を順に辿っているので読みやすくなってきた。
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