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青年たちの聖書研究~第33回『オバデヤ書』

  • 執筆者の写真: 明裕 橘内
    明裕 橘内
  • 2024年12月26日
  • 読了時間: 3分

【オバデヤ書について】

・オバデヤ書は旧約聖書において最も短い書であり、エドムを断罪している。エドムは死海の南東にあり、北はモアブと死海の南端で接し、南はユダ王国の境と接する隣国である。

・オバデヤは「主の礼拝者」や「主のしもべ」という意味であるが、オバデヤの家系、出身地、活動した年代などについては言及されていない。

・オバデヤ書はヤコブの一族(イスラエル)とエサウの一族(エドム)の間の戦いの歴史があったゆえに語られている。オバデヤの時代の数百年も前に、ヤコブは兄エサウから長子の権利をだまし取った(創世記25、27章)。エサウはヤコブを憎んだが、後にヤコブを許す(創世記33章)。しかし、モーセの時代になると、ヤコブの子孫とエサウの子孫との間に紛争が起こった(民数記20章)。ダビデ王の時代には、エドムがイスラエルによって征服され(サムエル記下8章)、アハズ王の時代(紀元前8世紀)にはエドムが南王国ユダから独立する。オバデヤ書の最後(21節)では、北大国イスラエルがエドムの地を占領すると語られた。エドムの地は紀元前4世紀までにアラブ系民族のナバテア人に占領された。

 

【オバデヤ書の内容】

1~16節 エドムの高慢に対する主の裁き

兄弟ヤコブに不法を行ったので

お前は恥に覆われ、とこしえに滅ぼされる。(10)

7~21節 イスラエルの回復

救う者たちがシオンの山に上って、エサウの山を裁く。こうして王国は主のものとなる。(21)


【注目点】 

*イスラエルに敵対して来たエドムが滅ぼされると語られている「オバデヤ書」の直後に、たとえ強敵であっても、あらゆる民が救われる必要があると主が語っておられる「ヨナ書」が配置されていることは興味深い。旧約聖書はあらゆることを網羅することも考えられているので、(物語や詩編、また礼拝の規定や神殿建築についても詳しく書かれているので)、異邦人に対しての関係も一元的には語れないのではないかと考えられる。

 

【質疑応答】

①オバデヤ18、 父親のヤコブを火と例えており、息子のヨセフをそれより大きいイメージの炎に例えているが、これは何か理由があるのか?同じ「火」という言葉を使わないための言い換えなのか?


同じ「火」という言葉を使わないために「炎」と言い換えていると考えられます。

「ヨセフの家」はイスラエル王国を示し、エドムが北大国イスラエルと南王国ユダに報復され、滅亡することを示しています。


【感想】

・オバデヤ書で出てくるエドムが、エサウの子孫が住んでいた場所という解説を聞いて、創世記からの歴史が確かにオバデヤ書へと繋がっていると感じて、今まで旧約聖書を最初から順番に学んできたことが活きていると感じた。

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