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青年たちの聖書研究~第30回『ダニエル書』

  • 執筆者の写真: 明裕 橘内
    明裕 橘内
  • 2024年8月22日
  • 読了時間: 7分

【ダニエル書について】

・ダニエル書は数々の預言が記され、黙示と言われる文学様式で描かれている。黙示は象徴や視覚的表現を多用して、出来事の背後にある意味を示す文学形式で、最終的には神様に忠実な信仰者が様々な敵に勝利することが記されている。(12:3)

・ダニエルと3人の友人は迫害を加えるような外国の王に仕えながらも、神様に忠実であったので、救い出され、高い地位が与えられた。また、仕えていた王でさえ神様を救い主、助け主(6:28)と賛美する姿へと変えられていく様子が描かれている。

・ダニエル書は、2:4~7:28はアラム語で、他はヘブル語で書かれている。アラム語は当時の公用語で広く用いられていた。ヘブル語はイスラエルの民に用いられていた。

・ダニエル書6章までは、王の夢を解き明かす物語が続き、7章からは幻の解き明かしを聞き、疲れ果てて理解できずにいるダニエルの様子が描かれている。(8:29)。

・ダニエルとは、「神は裁き人」という意味。

・ダニエルは最初の捕囚(紀元前606年)で、バビロンに行き、宮廷に仕えた。

イスラエルの王族または貴族で、容姿が美しく、才能と知恵があり、知識と理解力に富んでいた(1:4)。また、夢や幻を解くことができた(17)。神の霊が宿っていたので、このような特別なことができた(4:5)。

・宮廷では、ダニエルはベルテシャツァル、3人の友人であるハナンヤはシャドラク、

ミシャエルをメシャク、アザルヤをアベド・ネゴと改名した。

・ダニエルはネブカドネツァル王、バビロン (1~4章)

      ベルシャツァル王、 バビロン (5、7~8章)

      ダレイオス王、   メディア (6、9章)

      キュロス王に    ペルシア (10~12章) に、仕えた。

 ☆キュロス王によって、エルサレムに神殿再建の勅令が出された(エズラ記1:1~4)

・ダニエルはイザヤ、エレミヤ、エゼキエルのような預言者ではなかったが、

イエス様は「預言者ダニエル」と呼ばれ、終わりの時について預言しておられる(マタイによる福音書24:15)。

マタイによる福音書 24章 14~16節

「そして、御国のこの福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。それから、終わりが来る。」

「預言者ダニエルの言った憎むべき破壊者が、聖なる場所に立つのを見たら――読者は悟れ――、そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。」

 

【ダニエル書の内容】

1章~6章  バビロンにおいてのダニエルの物語

1章

紀元前606年ネブカドレツァル王はエルサレムを攻撃し、ダニエルは捕囚の民の一人となった。

ダニエルは他3人と王に仕えるように訓練された3年間、宮廷の肉類や酒で汚れるようなことはさせないでほしいと願った(8)。この4人の少年は、神から知識と才能が豊かに与えられ、特にダニエルはどのような幻も夢も解くことができた。ダニエルは宮廷に約70年間仕えた。

2章

ダニエルは神によって王の巨大な像の夢を解き明かした。それは頭が純金、胸と腕が銀、腹と腿が青銅、すねと足が鉄と陶土でできていた(33)。山から人手によらず切り出された石が、この巨大な像を打ち壊した(45)。その石は大きな山となり、全地に広がった。頭はバビロニアを示し、順にメディア、ペルシア、ギリシアやローマ帝国、神の国を示すと言われている。

 

3章

ダニエルの3人の友人は、ネブカドレツァル王の建てた金の像(高さ約27メートル)を拝まなかったので、燃え盛る炉に投げ込まれた(21)。しかし、「神の子のような姿」の御使いによって救われた(25、28)。王は「人間をこのように救うことのできる神はほかにはいない」と神をたたえて、三人を高い位につけた(30)。「そうでなくても」他の神々に従うようなことはしないと明言した(18)。➡ 捕囚の前のユダの指導者にはない信仰

 

4章

ダニエルは王の大きな木の夢を解き明かした。大きな木はネブカドレツァル王で、人間の社会から追放されて、七つの時を過ごした(22、29)。神をほめたたえた直後、理性が戻った(33)。王は高ぶる者は倒されることを体験した(34)。

5章

ネブカドレツァル王の次の王、(息子?)ベルシャツァル王は大宴会を開き、偶像の神々をほめたたえている時に、人の手の指が現れて、王宮の壁に文字を書いた(5)。それは、「王の治世は終わり、メディアとペルシアに支配される」と、ダニエルに解き明かした(26,28)。その夜、ベルシャツァル王は殺された(30)。→バビロニア帝国の滅亡

6章

バビロン王国を継いだのはメディア人ダレイオス王であった(1)。ダニエルは大臣であったが、他の大臣などから「ダニエルは王様の禁令を無視して、日に三度祈りをささげています(14)」と、密告された。ダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれたが(17)、神様が天使を送って獅子の口を閉ざしてくださったので、何の危害も受けなかった(23)。ダレイオス王は、「王国全域において、すべての民はダニエルの神を恐れかしこまなければならない」と命じた(26,27)。こうしてダニエルは、ダレイオスとペルシアのキュロス王の治世を通して活躍した(29)。

 

7~12章  ダニエル見た幻

7章

ダニエルの夢に四頭の大きな獣が現れたが、殺された(3、11)。「人の子」のような者が雲に乗り、「日の老いたる者」の前に来て、権威、威光、王権を受けた。諸国は「人の子」に仕え、その支配はとこしえに続いた(13、14)。ダニエルは悩んだが、その言葉を心に留めた(28)。

 

8章

雄羊(メディアとペルシア王)と雄山羊(ギリシア王)の幻を見た(20)。天使ガブリエルは「幻を見たことは秘密にしておきなさい。」と言った(26)。ダニエルはこの幻を理解できずにいた(27)。

9章

エルサレムの荒廃の時が終わるまでには、主が預言者エレミヤに告げられたように70年間であることを、ダニエルは悟った(2)。

10~11章

ダニエルは「一人の人」(5)によってイスラエルの運命を示された。ペルシアの時代からギリシア(20)の時代に代わるということ。次に、南の王(エジプト)と北の王(パレスチナ周辺)が戦いを繰り返すが、終わりの時が来る(45)。

12章

イスラエルの民に苦難が続くが(1)、多くの者の救いとなった人々はとこしえに星と輝く(3)。

終わりの時までこれらの事は秘められ、封じられている(4、9)。

最後は復活が預言されているとも思えるダニエルの言葉で終わっている。(13)

 

【注目点】 ダニエル書の構造

         

【1章】  (ダニエルの物語の総括)

【2章】   - 【7章 8章 9章 10章 11章 12章】(象徴によって歴史を物語っている)

【3章】 - 【6章】(神のしもべを救出する物語)

【4章】 - 【5章】(高慢な王に対する神の裁きの物語)

*当時の世界を支配した王たちが神様の裁きを受け、それゆえに、神様の救いの力を認め、ほめたたえ、国民にも神様の偉大さを発令するほどになったということを伝えたかったので、ダニエル書は書かれたのではないかと考えられる。

 

【質疑応答】

①7:13 「人の子」「日の老いたる者」とは誰のこと?

「日の老いたる者」とは、7:9から永遠の神という意味と考えられます。

「人の子」は、アラム語では人間あるいは自分という意味で使われています。天使ガブリエルはダニエルを「人の子」と呼んでいます(8:17)。新約聖書ではイエス・キリストは自らを「人の子」と呼ばれました。

神様がイエス・キリストから、権威、威光、王権を受け、とこしえに統治する(13、14)と解釈することもできると思われます。

 

②8:9 「麗しの地」とはどこのこと?

ユダの地(南ユダ王国)を示すと考えられます。

 

③ダレイオスは、6章でダニエルが助かったあと、「ダニエルの神をかしこまなければならない」と全土に書き送っているが、これによってバビロンの人々がダニエルの神様を信じるようになったわけではないのか?

ダニエル書には王が全土に書き送ったことは書かれていますが、国民の反応については書かれていません。ダニエルが反応を確認できなかったかもしれません。王の神様への態度の変化に重点が置かれているのかと考えられます。

 

【感想】

・ダニエル書は子供の頃から教会学校で触れてきたつもりだったが、今回改めて全体を読んで、後半は思ったより内容が難しかった。

・ダニエルは少年のイメージだったが、高齢になるまで宮廷に仕えていたことは、今回初めて知った。

・自分の心の中心に、常に本当の神様を置いておくことが大切だと思った。

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