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執筆者の写真明裕 橘内

青年たちの聖書研究~『創世記』編~

更新日:2022年4月10日

◇青年会では、月一回聖書研究会を開いています。「第 1 回 聖書研究会」の内容をご紹介します。

【創世記について】

*新共同訳聖書と新改訳聖書の違い

新共同訳聖書はきれいな⽇本語、新改訳聖書は原典に忠実な訳を重視している。 1章1節 新共同訳「神は」 新改訳「神が」

新改訳では神が創造されたことが強調されている


*1章2節「神の霊」 新約からではなく、旧約でも「神の霊」という⾔葉が出てくる


*9章9節「契約」をしてくださる神様

私たちとコミュニケーションをとってくださる神様

⽇本の⼋百万の神とは異なるところではないか


*創世記が家族について教えてくれること

家庭を持つうえで、補完性が重要

それぞれ性格や得意なこと、役割が違う。

お互いが⾜りないところを補い合い、家庭を作っていくことが必要になる。


【アウトライン】

1 章〜 ⼈類の始まり

12章〜 アブラハムの⽣涯

21章〜 イサクの⽣涯

27章〜 ヤコブ物語

37章〜 ヨセフ物語


【質疑応答】

①創世記は誰がいつ頃書いた?

モーセが紀元前 1400 年代に書いたと思われます。もちろん諸説あります。 ちなみに、よく⾔われる、「モーセの死後のことはだれが書いたか?」ということですが、モー セの従者であって後継者ともなったヨシュアなどが書くことができたと思われます。


②「妻」と「嫁」という⾔葉が使い分けられているように感じたが違いはある?

新共同訳の訳語の使い⽅のこともありますし、はっきりお答えできる資料がありません。ただ、 ⽇本語の感覚としては、夫婦の間柄の観点では「妻」と⾔われ、舅や姑との間柄の観点では 「嫁」と⾔われることがあるのでは?


③24 章で、「腿の間に⼿を⼊れて誓う」と書いてあるが、当時の習慣?

奇妙な⾏為に思われるかもしれませんが、当時の習慣です。

腿は、⽣命を⽣み出すための⾝体の⼀部を象徴すると⾔われています。「腰」と訳されることもあります。この誓いの⽅法は、創世記に 2 回出てくるのみ。(ここと47章のヤコブの臨終の場⾯)


④ヤコブとイスラエルは同⼀⼈物だと思うが、使い分けられている理由はある?(43 章)

おっしゃる通り同⼀⼈物です。

「ヤコブ」とは、押しのけるという意味。

「イスラエル」は、神は戦わる、または、神の王⼦という意味。


⑤48 章でヤコブが、ヨセフの息⼦ 2 ⼈を⾃分の⼦供とする場⾯があるが、これはヤコブの直接の ⼦供とするという意味か、ヤコブの家系の⼦として認めるという意味かどちらなのか。

ヤコブの家系の⼦として認めるという意味です。

12 部族において、ヨセフなく、マナセとエフライムとなっています。

ヤコブの息⼦は 12 ⼈だが、それぞれが1部族の起源になったわけではない。レビには⼟地の割り 当てがなかった。また、ヨセフに与えられた⼟地はマナセとエフライムに分割され、これで12 となった。


⑥あくまでもイメージに過ぎないが、⻑男より次男の⽅が神様からの祝福を受ける場⾯が多いよ うに感じる。(カインとアベルから始まり、マナセとエフライムまで)

当時の習慣では、⻑男が権利などを受け継ぐ事になっていたと思うが、これと異なる形で神様の 計画が進んでいくのは何か意味はあるのか。

当時の中東の⽂化では⻑⼦が遺産を多くもらい、家⻑となることが当たり前でした。しかし神様 は、そういった⽂化も超越して相応しい⼈を祝福する⽅です。神様にとってイスラエル⺠は 「神様の⻑⼦」として特別に祝福を与えてられていました(出エジプト4章22節より)。 のちに、異邦⼈(弟のような存在)がイスラエル(兄のような存在)より先に救いにあずかるよ うな現実が⾒られるようになると、旧約の「弟なのに優先されて祝福を受ける」ということが、 その前触れであったことがわかってきます。


⑦創世記は宇宙の始まり、信仰の始まり、ユダヤ⺠族の始まりについて記しています。それと同 時にアダムとエバの夫婦とカインとアベルの兄弟から始まる「家族」という⼈間関係の始まりに ついても記していると解釈しました。

創世記の中には様々な家族の話が出てきます。そこで、牧師であり⺟親である玲⼦先⽣の⽬線か ら、「創世記が家族について教えてくれること」というテーマでメッセージをお願いできます か?

特定の箇所についてというわけではなく恐縮ですが、これから独⽴して家族を持つことになるで あろう 20 代の我々に教訓が与えられれば幸いです。よろしくお願いします。

「創世記が家族について教えてくれること」として、これから独⽴して家庭を持つであろう 20 代 の⽅々に伝えたいことは、補完性が重要であることです。夫婦や親⼦など家族は、それぞれ性格や得意なこと、役割が違うので、これが摩擦の原因にもなりますが、お互いが⾜りないところを 補い合い、家庭を作っていくことが必要になると⾔えるでしょう。

そして、創世記は、イスラエル⺠族の失敗の歴史書と⾔えるでしょう。(兄弟間、家族の争い) ⼀夫多妻制により起こる問題が書かれています。(ヨセフの兄弟 12 ⼈の⺟親は 4 ⼈いる) 創世記の登場⼈物たちを、反⾯教師と考えると、学ぶべき点が数々あります。

【感想】

・疑問点を探しながら読むことが新鮮。

・最初から読む機会はそんなになかったのでよかった。

・何を学ぶかということを感じながら読むことは難しいと感じた。

・40章23節:ヨセフに感謝した給仕役だったが、ヨセフへの恩返しを忘れてしまった、な ど、なぜそうなってしまった?と⾔いたくなる場⾯がいくつかあった。

・創世記は素晴らしい偉⼈たちの物語ばかりが載っていると思っていた。⼈間臭い物語があった のは意外。⾃分たちとそれほど壁はないのでは。

・補完性が⼤切という話が印象に残った。

・今⽇の礼拝の説教箇所:マルコ9章37節での「謙遜」夫婦間でも同じことが⾔える。 ・聖書の友シリーズ「創世記」より 薪を背負うイサクと⼗字架を背負うイエス様を重ねるとい う解釈になるほどと思った。

・⼈間が完璧にすることはできない。⾃分とも遠くない話だと思った。


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