神戸ルーテル神学校での学び(7) 『組織神学(1)』
組織神学という言葉は、何か馴染みにくく、堅苦しく聞こえるかもしれません。ただ、他の3つの神学部門が、聖書神学、歴史神学、実践神学と呼ばれていることからも、組織神学は神学の中心的な理論、考え方を扱う領域だと言っても差し支えないと言えます。俗に、神学の神学と言われる所以です。少し具体的に述べますと、私たちの信じる「神とは」、「キリストとは」、「罪とは」、「救いとは」などを体系的に考察します。また、「創造とは」、「教会とは」、「終末とは」などについても、深く考究します。
そうした分野は、教義学と呼ぶこともあり、それは組織神学の中心分野です。組織神学には、他にも、(キリスト教)倫理学、宗教哲学、弁証学、他の宗教についてなどの分野があり、神学校では可能な限り、それらの内容についても学ぶことになっています。
体系的なお話ばかりしましたので、ここで少しその中身のお話もしたいと思います。教義学のひとつの中心課題を取り上げてみましょう。皆さんは、三位一体の神ということを、毎週の礼拝の中でも(使徒信条による)信仰告白として表明していますが、その内実については、どのように考えておられますか? 神はひとつであられるのに、父なる神、御子キリストなる神、そして聖霊なる神がおられます。ある意味で、かなり複雑な様態をもった神様を私たちは信じているのですね。クリスチャンは、三位一体の神を、自らの言葉で説明できることが求められていると言えるかもしれません。
もう一つは、ちょっと難しい用語ですが、二性一位格という考え方があります。それは、イエス様を表す言葉です。キリストは、全き神であり、かつ全き人であったのです。とても不思議なことですが、そうであったからこそ、キリストは私たちの救い主になることがお出来になったのです。
教義学の深い内容について丁寧に説明することは難しいので、ここでは、どのようなテーマや課題を扱っているのが教義学と呼ばれる神学の分野であるのかの、ごく一端をご紹介しました。次回は、その教義学の幅の広さについて簡潔にお話したいと思います。
コメント