神学校での学び 13 『様々な神学生』
来月からは卒業試験期間となり、このコラムもお休みとなることから、今回は番外編です。先月までとはがらりと変わり、神学校で学ぶ学生たちについて、ご紹介いたします。
先生たちについては、神学校(或いは神学大学)を卒業し、引き続き学びを深め、また留学をなどして神学の学位(修士や博士号のことです)を修得した人たちが、ここまでご紹介したようなそれぞれの専門内容を教えておられます。
と同時に、牧会の経験をもっている先生たちも多くみられます。神戸ルーテル神学校の場合、殆どの先生方は、西日本福音ルーテル教団か近畿福音ルーテル教団に所属され、それに加えて、私たちのフェローシップ・ディコンリー福音教団や他の教団の方もおられます。
先生たちもそうですが、さらに興味深いのは、学んでいる学生たちが、非常に多様であることです。現在の神戸ルーテル神学校は、たった5名の学生しか在籍していませんが、それでも、驚くほどにそれぞれの学生の背景は異なります。その学友たちを、少しご紹介させてください。
お一人は、西日本福音ルーテル教団の信徒ですから、ある意味では神戸ルーテル神学校にとっては、最もオーソドックスな学生です。ただし、現在学んでいる兄弟は、70歳代。退職まで殆どの年月をアメリカで在職され、アメリカのルーテル教会のバックグランドを持っておられます。
そして、最も若い学生は、30代後半。生駒にある他の神学校を一度卒業され、現在は大阪でご家庭を開放して奥様と開拓伝道をされています。最近、新会堂を入手されました。福音宣教のまさに最前線に立ちながら、学びにチャレンジされています。
私をのぞくと、あとお二人は女性の神学生です。そのうちのお一人は、救世軍から来られています。お連れ合いが、牧師(すなわちその地方を統括する将校)であることから、なんと彼女も救世軍では士官です。教会での賛美はバンド演奏ですし、路傍での炊き出し活動など、英語圏諸国で見られる救世軍の働きをされながら学んでおられます。
そして、もう一人の方は、とても会員数の多い単立の教会から来られています。彼女は小学校の教師を長年務めておられましたが、お連れ合いの身体が不自由になり完全に施設の生活を余儀なくされた中で、献身されました。二百人を超える若い信徒であふれた教会から送り出されて学んでおられます。
このようなことをご紹介したのは、神学校では、ことほど左様に、背景も経緯も異なる
方々が学ばれているということをお伝えしたかったからです。お一人お一人が、なぜ今、神学の深い学びと格闘されているか、その背後にあるものは非常に異なります。しかし、ひとつ共通することは、主の福音を全力で伝えたい、そのための学びを深めたいという思いです。
こんなにバックグラウンドの異なるクリスチャンの方々と共に経験できる神学校での学びは、神様が与えてくださっためぐみに他なりません。聴講などの受講形態もありますので、機会があれば、ぜひ神学校の学びを垣間見てくださることを願っています。
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