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執筆者の写真明裕 橘内

神学生日記 6月 by H.M

神戸ルーテル神学校での学び(4)


今月から暫くの間、神学校での学びの4つの領域の中から、「歴史神学(教会の歴史)」について、可能な限り簡潔に分かりやすくご紹介したいと思います。


教会の歴史は、その多くがいわゆる西洋と呼ばれる国々で展開されてきました。歴史の流れを大きく捉えると、


(1)イエス様の昇天ののち、迫害にあいつつもキリスト教が当時の国家、すなわちローマ帝国に認められるまでの期間、

(2)中世と呼ばれ、ローマ・カトリック教会が宗教改革に出会うまでの期間、

(3)宗教改革の時代、

(4)宗教改革後に正統主義、敬虔主義、啓蒙主義の時期などを経て、英仏での革命やアメリカ合衆国の成立に至る時代、

(5)混迷する19世紀、世界への宣教の広がりと二つの世界大戦に至る期間、


と大きく分けられます。第二次世界大戦以降は、教会史というより、現代の有様として把握されることが多いようです。


いかがでしょうか。クリスチャンの歴史が、ある意味では、世界の歴史を大きく形作ってきたことが伺い知れるのではないでしょうか。また、それぞれの時代に意味があり、現代の私たちの信仰に大きな影響を及ぼしているのですが、ここではほんの少しだけ、上の(1)と(2)の時代について触れたいと思います。なぜなら、今の私たちにとても大切な事柄が形成されたからです。


まず、(1)の期間には、新約聖書が徐々に正典として成立されました。ただし、その道筋は一筋縄ではいきませんでした。そして、この時代の最後の方で、現在、世界中のクリスチャンが受け入れている信仰告白、代表的なものは使徒信条ですが、そこに述べてある三位一体というクリスチャンの決定的な拠り所が、多くの衝突や議論の末、導かれて定まっていったのです。


(2)の時代は、現在のカトリック教会が確立しました。言い換えると、この時期に、東方教会(正教会とも呼ばれます)が袂を分かち、教会は東西に分かれたのです。また、エルサレムなどに行くとよく分かりますが、シリアやエジプト、エチオピアなど、現在の私たちからみるとかなり遠い関係に感じられるクリスチャンたちの群れも形成され、それぞれの場所で信仰が育まれていきました。そのような中、ローマ教会は、教皇制のもと絶大な力を確立していったのですが、十字軍などの動きを経て、16世紀に大きな挑戦を受けることになります。それが、ルターが先頭に立ちあがって始められた宗教改革です。来月は、それ以降の流れについてご紹介します。


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