神戸ルーテル神学校での学び(3)
神学における4つの領域のうち、聖書神学、歴史神学、組織神学(教義学)について、主な科目名をあげるなどして、これまでにさらっとご紹介してきました。今回は、まだ触れていない最後の領域である実践神学について、そのアウトラインをご紹介します。
この領域は前回までと違って、実際の科目名をみると、その内容が分かり易そうなものが殆どだと思います。具体的には、
牧会学(教職、役員、信徒に求められるものについてなどを含みます)
説教学(説教の意義、適切な内容、方法など)
礼拝学(その在り方、構成、賛美についてなど)
伝道学
宣教学
が、挙げられます。ただし、教えられる内容は実際的であると共に、かなり学問的なものまでと非常に多様で、参考図書も邦文・欧文ともに数え切れなくあります。また担当教師によっても目標や切り口が異なる場合も多くあります。
ほんの一例を紹介しますと、牧会学は実に間口の広い学びとなり、主な項目をあげても、
召命、按手、礼拝、説教、聖餐、祭服、祈禱会などの例会、訪問、カウンセリング、伝道、教育、教会の運営と管理、冠婚葬祭、教職者の転任、教会開拓、教職者の配偶者、家庭
などなど、とても一気には学べません。そして、例えばその中の一つであるカウンセリングだけを取り上げても、目を見張る発達をとげた応用心理学というアカデミックなアプローチから、実に多様なケーススタディまで幅広くて、学ぶ内容には、きりがありません。アメリカでは、この牧会カウンセリングの学びがたいへん重視されているとのことですが、私たち日本のクリスチャンにとっても大切な学びです。また、留意しないといけないこととして、一般のカウンセリングと牧会カウンセリングは、その目的やアプローチがかなり異なることも、しっかりと理解しておく必要があります。
以上はほんの一例です。これまで3回にわたって書いてきたことのなかから、今後は焦点を絞って、少しずつ丁寧にかみ砕いて、かつ専門的にはならないようにしてご紹介したいと願っています。それぞれの分野から、信徒の方々にとっても興味深いであろう、また大切に思われる内容の紹介をしていければと思います。そして、時には授業の様子や、どんな人たちが学んでいるのかなどもお伝えできればと願っています。皆さんからのご質問や、お知りになりたいことなどもあれば、お教えくだされば幸いです。
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