*宗教改革記念日を覚えて
福音には、神の義が啓示されていますが、それは、初めから終わりまで信仰を通して実現されるのです。
ローマの信徒への手紙 1章17節
10月と言えば、10月最終日となりますが、宗教改革記念日を思い起こします。
1517年から500年の2017年は世界各地で記念行事が行われました。
あれから5年、コロナ感染やウクライナ侵略などを考えますと、5年前は平和な時代だったのだと感じてしまいます。
さかのぼること505年前、ルターは「塔の体験」と言われる、ヴィッテンベルクの修道院の塔(とう)の小部屋で、上記の聖書の言葉によって、「神の義」について目が開かれました。この「塔の体験」から「95ヵ条の提題」、宗教改革へと向かって行くこととなります。
では、ローマの信徒への手紙1章17節に目を向けてみましょう。
「神の義」について、神様は正しいお方なので、人間にも正しく生きることを求められているので善行に励まなくてはならないと、ルターは(当時の人々は)考えていました。
しかし、神様は人間が完全ではなく罪人であることを知っておられるので、むしろ人間を愛して、神様が持っておられる義、正しさを人間に無償で与えて下さった。無償で与えて下さったので、「恵み」と言い、素晴らしいお知らせですので、「福音」と言えます。この福音を受け取ることが、神様への信頼、つまり「信仰」です。
つまり、イエス様が十字架にかかり、すべての人間のための身代わりとなって罪の罰を受けて下さったということを心に受け取ることによって、神様からプレゼントとして「神の義」を受け取ることができるのです。説明を重ねると、かえって難しいことになってしまいますが、ルターは「神の義」を獲得しなければならないと努力を重ねていましたが、まずは素直に受け取るだけでいいということは、大転換と言えるでしょう。
この大きな喜びに突き動かされて、宗教改革という世界史に刻まれる出来事に発展していきます。宗教改革がなければ、聖書を日本語で読み、会衆賛美としてみんなで賛美するということはありませんでした。宗教改革後に生かされていることを感謝しつつ、共に信仰生活を歩んで参りましょう。
(きつない・れいこ)
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