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執筆者の写真明裕 橘内

とってもやさしいルターの小教理問答書講座 第9回目

【第七の戒め】

盗みをしてはいけません。

[問い] これはどういう意味ですか。

[答え] 私たちは神を畏れ、愛さなければなりません。 ですから、私たちは隣人のお金や所有物を奪ったり、 詐欺によって得たり、 貧弱に作られたものを売りつけたりしてはいけません。 そうではなくて、 隣人が財産や経歴を増し加えたり、 守ったりできるように手助けしなければなりません。(結城浩訳 ルターの少教理問答書より)


「盗む」とは「空間移動」である、と言われることがあります。

ある場所から別の場所へ、悪い意図を持って、何かを移動させるわけです。


しかし、近年は、騒音などで人々の平穏な心を奪う、

また、慌ただしい社会の中で人々のゆとりを奪い、時間を盗むなど、

別の概念の「盗む」ということも出てきている、と指摘したのは、

キリスト教哲学者の今道友信氏でした。


単に「私は何も物を盗んでいません」と言うだけではなく、

誰かの大事な平穏を奪っていないか、時間を盗んでしまっていないか、

よく点検することも必要かもしれないですね。


しかも、ルターが言うには、

「隣人の財産などを増し加え、守る」という積極面も、

この戒めにおいては重要だ、ということです。

こちらの、周囲の人々の暮らしをアシストし、サポートするという面は、

現代の、人と人との距離が離れつつあり、

特にこのコロナ禍において、

人と人とのつながりが希薄にならざるを得ない中で、

失われつつあるかもしれません。


最近はラジオでも「いいおせっかいをしていこう」と呼びかけられるのを聞きますが、

単に「盗まない」という禁止面だけでなく、

周囲を豊かにして生きる、という面も、

この戒めの中では大事にされていることを、

忘れないでおきたいものです。






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