第四部:洗礼について
父親が家族に洗礼を簡潔に示すには
[問い] 洗礼とは何ですか。
[答え] 洗礼は単なる水ではありません。 神の命令に含まれ、神の御言葉と結びついている水なのです。
[問い] それはどのような御言葉ですか。
[答え] 私たちの主キリストがマタイによる福音書の最終章で語られた 「世界中に行き、すべての異邦の国々に教え、 父、子、聖霊の御名によって洗礼を行いなさい」 という御言葉です。(結城浩訳 『ルターの小教理問答書』より)
いよいよ小教理の学びも洗礼についての部分に入りました。ルターのコンセプトとしては、「父親が家族に洗礼を簡潔に示すには」という但し書きにあるように、洗礼についての教育を担うのは父親の役割であったようです。
ここでルターが洗礼について第一に示すのは、洗礼が単なる水ではなく、神の御言葉に結びついている特別なものだ、ということです。そして、その御言葉として、この部分では、マタイによる福音書の28章19節の御言葉を提示しています。
このことは、洗礼の効力を示す前提として重要であって、洗礼が神の尊い御言葉に結びついた水であるからこそ、人間の魂にとって益となるのだ、という論法になります。そのような尊い洗礼にあずかっている恵みに感謝します。
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