2023年10月8日 聖霊降臨後第19主日

交読文　詩80編9～16節(旧約p918）

司）9:あなたはぶどうの木をエジプトから移し／多くの民を追い出して、これを植えられました。

会）10:そのために場所を整え、根付かせ／この木は地に広がりました。

司）11:その陰は山々を覆い／枝は神々しい杉をも覆いました。

会）12:あなたは大枝を海にまで／若枝を大河にまで届かせられました。

司）13:なぜ、あなたはその石垣を破られたのですか。通りかかる人は皆、摘み取って行きます。

会）14:森の猪がこれを荒らし／野の獣が食い荒らしています。

司）15:万軍の神よ、立ち帰ってください。天から目を注いで御覧ください。このぶどうの木を顧みてください

全）16:あなたが右の御手で植えられた株を／御自分のために強くされた子を。

聖書朗読　フィリピ3章4後半～15節(新約p364）

4:だれかほかに、肉に頼れると思う人がいるなら、わたしはなおさらのことです。

5:わたしは生まれて八日目に割礼を受け、イスラエルの民に属し、ベニヤミン族の出身で、ヘブライ人の中のヘブライ人です。律法に関してはファリサイ派の一員、

6:熱心さの点では教会の迫害者、律法の義については非のうちどころのない者でした。

7:しかし、わたしにとって有利であったこれらのことを、キリストのゆえに損失と見なすようになったのです。

8:そればかりか、わたしの主キリスト・イエスを知ることのあまりのすばらしさに、今では他の一切を損失とみています。キリストのゆえに、わたしはすべてを失いましたが、それらを塵あくたと見なしています。キリストを得、

9:キリストの内にいる者と認められるためです。わたしには、律法から生じる自分の義ではなく、キリストへの信仰による義、信仰に基づいて神から与えられる義があります。

10:わたしは、キリストとその復活の力とを知り、その苦しみにあずかって、その死の姿にあやかりながら、

11:何とかして死者の中からの復活に達したいのです。

12:わたしは、既にそれを得たというわけではなく、既に完全な者となっているわけでもありません。何とかして捕らえようと努めているのです。自分がキリスト・イエスに捕らえられているからです。

13:兄弟たち、わたし自身は既に捕らえたとは思っていません。なすべきことはただ一つ、後ろのものを忘れ、前のものに全身を向けつつ、

14:神がキリスト・イエスによって上へ召して、お与えになる賞を得るために、目標を目指してひたすら走ることです。

本日の説教より　「目標を目指して」　馬渕仁教会主事

フィリピは、パウロが回心して15年ほど経った頃、第2回伝道旅行の際に宣教した場所です。そしてパウロは、その宣教から約3年後、彼の地上での最後の滞在地となるローマから、この手紙を書いたとされています。手紙の内容には、挨拶やお礼の言葉も含まれていますが、核心は、フィリピの教会内での不一致、特に律法主義や誤った完全主義の危険性を指摘することにありました。

今日のテキストでパウロは、自らはもはや頼ろうとしないが、過去においては頼っていた利点、事柄を列挙します。パウロは、自らの素晴らしい利点を、損失とみなすのです。どうしてパウロは、これらのことを、損失と見なすようになったのでしょうか。その理由は、それらの事柄が、彼をして自己に頼らせ、神様へ何かよいものを自らが捧げられるという満足感を与えてしまうからなのです。パウロは、自らの力ではゴールへは到達できないことにはっきりと気付きます。カギとなる言葉は、「キリストのゆえに」です。この7節最後のことば「キリストのゆえに」は、パウロにとっての劇的な価値の逆転、その動機と理由を語っているのです。

パウロは、目標を目指して走りましょう、と説きます。しかし、走るのは、目的があるからです。それは、神様が示していてくださいます。そして、これからも示してくださいます。また、そのときに必要な力も、すべて備えていてくださっているのです。ですから、14節に記された「目標を目指してひたすらに走ること」が、主の恵みによって私たちにはできるのです。そのことを覚えて、新しい一週間も、あゆみ、走り続けましょう。

報告

・本日は馬渕主事の説教でした。橘内師はベテル教会でのご奉仕です。

・来週礼拝後、昼食会の後予算総会です。ご出席ください。