【聖書交読】詩編46編(旧約880頁)
司)1:【指揮者に合わせて。コラの子の詩。アラモト調。歌。】
会)2:神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。
司)3:わたしたちは決して恐れない/地が姿を変え/山々が揺らいで海の中に移るとも
会)4:海の水が騒ぎ、沸き返り/その高ぶるさまに山々が震えるとも。〔セラ
司)5:大河とその流れは、神の都に喜びを与える/いと高き神のいます聖所に。
会)6:神はその中にいまし、都は揺らぐことがない。夜明けとともに、神は助けをお与えになる。
司)7:すべての民は騒ぎ、国々は揺らぐ。神が御声を出されると、地は溶け去る。
会)8:万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。〔セラ
司)9:主の成し遂げられることを仰ぎ見よう。主はこの地を圧倒される。
会)10:地の果てまで、戦いを断ち/弓を砕き槍を折り、盾を焼き払われる。
司)11:「力を捨てよ、知れ/わたしは神。国々にあがめられ、この地であがめられる。」
全)12:万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔。
【聖書交読】ルカ23章33~43節(新約158頁)
33:「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。
34:〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。
35:民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」
36:兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、
37:言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」
38:イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。
39:十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」
40:すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。
41:我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」
42:そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。
43:するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。
本日は秋の特別礼拝です。ゲスト説教者に元西日本福音ルーテル教会牧師の池上安先生をお迎えしています。ここには第一礼拝用の説教を掲載しています。
聖書日課に選ばれる聖書の箇所では、詩編が複数回用いられることが多いです。本日の交読文に選ばれている詩編46編も、宗教改革日の聖書日課の箇所として、10月30日の宗教改革主日に読まれました。ご存知の通り、ルターの愛唱詩編と言われています。
「神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦」(1節)また、「万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔」(8節)といった御言葉は、讃美歌267番の「神はわがやぐら」のもとになっていると容易に想像がつきます。激しい宗教改革の運動のうねりの中で、まさにルターは、主なる神様を砦として、その堅固な守りによりすがったのでしょう。
その中で同時に、「力を捨てよ、知れ/わたしは神」(11節)という御言葉も、ルターに迫ってきたのではないでしょうか。一時期は、自分が手を伸ばして恵みを勝ち取ろうとしていた(それができると思っていた)ルターですから、つい自分の力に頼ってしまうところがあったのではないか、と想像します。そのたびに、「そうではない、自分の力を捨てて、『わたしは神』とご自身を明らかにされる方により頼むのだ」と自らに言い聞かせていたのではないでしょうか。
終わりに、この詩編で繰り返されている御言葉について触れておきたいと思います。それは、8節と12節にある「万軍の主はわたしたちと共にいます。ヤコブの神はわたしたちの砦の塔」という御言葉で、繰り返されているということは強調されている、大事な御言葉であるということですし、文章のまとまり、言ってみれば段落を示す区切りのしるしにもなっている御言葉です。この詩編で言われている、砦のように不動の神様の安定感、より頼むことができる信頼感は、すべてこの「主が共におられる」というところに起因し、そこから感じ取ることができる恵みです。主が共におられるからこそ、安心してよりかかり、頼る、信頼することができるのです。信仰とは信頼です。信頼できる、ということは、すなわち信仰を持つことができる、ということにほかなりません。ルターが信頼し、信仰した万軍の主を、私たちの砦として、同じように信じ、頼ってまいりましょう。
【報告】
・本日は秋の特別礼拝です。昼食会があり、午後はクリスマス飾りつけとなります。
・来週から待降節に入り、教会の暦も一年の始まりとなります。
・クリスマス献金の時期が近づいています。感謝しておささげする準備をしてまいりましょう。
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