雪も降ってこようかというぐらい寒い日の夕方、みぃちゃんは学校帰りに教会に寄りましたが、その表情には影があり・・・
牧師先生:あ、みぃちゃん、こんにちは。寄ってくれたんだね。あれ?何かあったのかな?
みぃちゃん:えーっと、まあ、あったというか、何というか・・・。
牧師先生:学校で何かあった?
みぃちゃん:う〜ん、昼休み、学校の友だちにこっちから声かけたら無視されて・・・。なのに、帰りがけには「バイバイ」とか言ってくるから、何だかもやっとして、結局何も言わずに帰ってきちゃった。
牧師先生:そんなことがあったんだね・・・。
みぃちゃん:何考えてるか、わかんない。
牧師先生:そういうこと、あるよね。
みぃちゃん:どうしたらよかったんだろう。
牧師先生:難しいよね・・・。ところでね、昨日で阪神大震災から29年だったよね。
みぃちゃん:そうだったけど、いきなりどうしたんですか。
牧師先生:それでね、その時、「けんかしたまま、わかれわかれになってしまった」何ていう話、時々聞くんだよね・・・。
みぃちゃん:その話、刺さる〜。
牧師先生:友だちとは、「いつでもまた会える」ってつい思ってしまうんだけど、こんな日常の生活が、いきなり奪われる、なんてこともあるんだよね。
みぃちゃん:そうだな〜。言われてみれば、コロナのときも、急に友だちに会えなくなったし、この前、お正月に大きな地震もあったし、友だちに会えるって、あまり前じゃないんですよね・・・。
牧師先生:そうそう。それにね、友だちだって、無視したんじゃないかもしれない。その時、何か考えごとしてたのかも知れない。体調悪かったのかも知れない。そんなふうに、「良い方に誤解する」っていうことも、大事かも知れないよ。何か聞いてない?
みぃちゃん:ああ、そう言えば、いとこが能登の方にいるって、前に言ってたかも!
牧師先生:それだよ。心配して、考えごとしてたのかも。
みぃちゃん:そっか・・・。悪いことしたな〜。明日、ちゃんと話してみよう。
牧師先生:そうだね、それがいいよ。あ、また「教えてあげる」みたいな感じになってしまったね。牧師の悪い癖だ。
みぃちゃん:ははは。まあ、それが牧師なんですから、いいんじゃないですか?
牧師先生:そう言ってもらえると助かるね。じゃあ、気をつけて。
みぃちゃん:それじゃあ、さようなら!
そう言い残して、みぃちゃんは教会を後にしましたが、もうその表情はさっきと打って変わって、明るいものでした。
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