交読文 詩編127編(旧約p971)
司)1:詩編/ 127編 001節
【都に上る歌。ソロモンの詩。】主御自身が建ててくださるのでなければ/家を建てる人の労苦はむなしい。主御自身が守ってくださるのでなければ/町を守る人が目覚めているのもむなしい。
会)2:詩編/ 127編 002節
朝早く起き、夜おそく休み/焦慮してパンを食べる人よ/それは、むなしいことではないか/主は愛する者に眠りをお与えになるのだから。
司)3:詩編/ 127編 003節
見よ、子らは主からいただく嗣業。胎の実りは報い。
会)4:詩編/ 127編 004節
若くて生んだ子らは、勇士の手の中の矢。
全)5:詩編/ 127編 005節
いかに幸いなことか/矢筒をこの矢で満たす人は。町の門で敵と論争するときも/恥をこうむることはない。
聖書朗読 1コリント1章3~9節(旧約p299)
3:わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように。
4:わたしは、あなたがたがキリスト・イエスによって神の恵みを受けたことについて、いつもわたしの神に感謝しています。
5:あなたがたはキリストに結ばれ、あらゆる言葉、あらゆる知識において、すべての点で豊かにされています。
6:こうして、キリストについての証しがあなたがたの間で確かなものとなったので、
7:その結果、あなたがたは賜物に何一つ欠けるところがなく、わたしたちの主イエス・キリストの現れを待ち望んでいます。
8:主も最後まであなたがたをしっかり支えて、わたしたちの主イエス・キリストの日に、非のうちどころのない者にしてくださいます。
9:神は真実な方です。この神によって、あなたがたは神の子、わたしたちの主イエス・キリストとの交わりに招き入れられたのです。
説教 「献堂50周年を迎えて」
私たちの父なる神と主イエス・キリストから、
恵みと平安があなたがたにありますように。アーメン
本日は、1973年12月9日に献堂式が行われたのを記念し、献堂50周年記念礼拝としております。献堂式当日、午前は当時の古い母の家ベテルで礼拝、午後に献堂式が行われ、礼拝堂がいっぱいとなったと言われています。献堂式では、本日と同じ、青年聖歌17番「冷たい罪の道を」が聖歌隊で賛美されました。50年の時を経て、この記念礼拝でも同じ賛美がささげられたことに感動を覚えております。また、お証しもありがとうございました。早速待降節第一主日の聖書日課の使徒書の箇所を味わってまいりましょう。
本日のみことばには、3節に「わたしたちの父である神と主イエス・キリストからの恵みと平和が、あなたがたにあるように」とあります。これは、私が説教する際に、冒頭で会衆の皆さんを祝福する祈りと同じです。このように祈るのはルーテル教会の伝統に沿ったもので、決してお題目ではありません。これに対し、応答の「アーメン」の声が鳴り響く礼拝堂になったら、献堂から50年たった教会として、たいへん麗しい姿であるように思います。これは、「アーメンの声が大きな教会は元気な教会である」ということで、今年初めに何度か繰り返して語っていたことです。礼拝の中の祈り、讃美歌の最後に、皆で思いを一つにして、「アーメン」と大きな声で応答する。そのような教会を目指しませんか。
続いて、7,8節を見ていきたいと思います。7節には「わたしたちの主イエス・キリストの現れ」とあり、また続く8節には、「わたしたちの主イエス・キリストの日」という表現が見られます。共にイエス様の再臨の日のことを表わしており、終末的な表現となっています。手紙の冒頭で、単なる序章、あいさつの部分である、というのを超えて、パウロは終末論的な視野を持っているのです。パウロの願うことは、終末のイエス様の再臨の日に向けて、信徒たちを建て上げることでした。献堂50周年も通過点であり、目指すのはイエス様の再臨の日なのです。イエス様の到来を待ち望むのです。本日から待降節ですが、実は待降節のひとつの重要な側面は、このようにイエス様の到来を待ち望むことでもあります。私たちは、十字架の信仰によって罪赦され、復活の信仰によって新しくされていのちの希望に生き、再臨の信仰によって、永遠を見渡しながら、イエス様への憧れを胸に生きていくのです。
それでは、9節に目を転じましょう。「あなたがたは神の子、わたしたちの主イエス・キリストとの交わりに招き入れられた」とありますが、その前提は、真実な神様が私たちのためにおられる、ということです。この真実な神様が、この教会を導いてこられ、時満ちて献堂のわざをなさり、シスター・カロリーネが費用の支払いに胸を痛める時にもご介入なさって返済が滞ることのないようにしてくださいました。この真実な神様が私たちを、尊い救い主、このクリスマスに来てくださったイエス様との交わりに招き入れてくださった。その交わりを、具体的に教会で体験するのです。
この度この献堂50周年記念礼拝に際し、かつての献堂20周年記念誌を読み返しました。そこには、イエス様との交わりを経験するために建てられたこの会堂のことについて、つぶさに描かれています。その中には、会堂が出来て来会者が増えた、という記述が見られます。また、「会堂が広くなったから、会堂を埋めなくてはという気持ちを皆が持った」とも書かれています。これはコロナを経た現在も同じです。空席は荷物を置くためにあるのではない。救われるべき魂のための場所である。きっとそのような思いで、当時熱心に人々を礼拝に誘っておられたのでしょう。今もまたその精神に立ち返って、真実な神様が私たちをイエス様との交わりに招き入れてくださるこの教会に、多くの人々をお誘いしたいものです。
振り返ってみて思いますことは、この御影ルーテル教会は、献堂当初は石屋川ルーテル教会という名前でしたが、よくささげ、よく仕える教会である、ということです。それに、信徒の皆さんの主体的な活動が続いてきた教会でもあります。また、礼拝だけでなく大勢子どもたちが集まった教会学校、結婚式、葬儀、多岐にわたる活発な青年会の活動などが展開されてきました。今回読み返した献堂20周年記念誌が出されたのが93年ですが、この間の20年で教会が一気に成長し、礼拝の平均は50人ほどにもなった、と記されています。
95年には阪神大震災を経験しましたが、それを耐えぬいた会堂でもあります。現在は教会活動のほかに、合唱団の練習にも用いられ、歌声の響く教会でもあります。20周年記念誌に、「文化活動で貢献を」、という願いが記されているのですが、それが実現してきていますね。現に、音楽が豊かであることが伝道に用いられてきました。
それでは、私たちの教会は、献堂50周年を経て、何に向かうのか、何を目指すのか、ということです。あるいは、この会堂への主の御心は何か、ということにもなるでしょう。記念誌によると、100名程度の大きさを想定して造られた礼拝堂とのこと。一時期100人礼拝を目指していたとも聞きますので、改めてそれを目指す、ということもあるかもしれません。
また、この教会は、長らくフェローシップ・ディコンリー福音教団のセンター教会を自負してきた教会でもあります。具体的なことを言うと、教団事務局から名前は宣教会事務局に変わりましたが、そのような場所がある教会として、また、他を支える教会として歩んできたという実績があります。
記念誌の最後には、「きょうは御影に、あすは世界に」という、たいへん印象的な言葉も記されていました。青年会が夜通し話し合って、将来この教会から海外への宣教師を、と祈ったともあります。それは、松田先生ご夫妻がミネアポリス日本人伝道に遣わされたことで実現しました。その海外宣教を支えた教会でもあります。「きょうは御影に、あすは世界に」という標語とともに、「御影の村の教会から神戸・阪神地区へ」というビジョンも記されていました。確かに、現在のときわ台キリスト教会や三田フェローシップ・キリスト教会が生み出されるための働きをしてきましたし、教会の拠点としては園田、淡路島と広がっていく働きがありました。そのような働きを経て、今年は三田、ベテル教会の支援も私が説教に赴く、という形で進めてまいりました。1教会主義ではなく、広くこの地域の教会として、協力し合うことも、これからの時代はますます必要となってきます。ますます教会の内外で「つながりづくり」を充実させる、その点で熟達していく、という大きな夢を描いていきたいものです。
2026年はいよいよ創立70周年を迎えます。割と時期が近いので、今回のこの献堂50周年記念礼拝は内輪でのお祝いということになりました。その分、創立70周年の時にはより大きなお祝いを皆さんで一緒にしたいと願っています。記録によると、56年2月25日が旧石屋川ルーテル教会、今のこの御影ルーテル教会のスタートの時とされています。2026年の2月まで、実質2年ほどです。それまで、大いにイエス様との交わりを持つためのこの教会の夢について、大いに語ることになるでしょう。希望を抱いて、少しずつでも、進んでまいりましょう。
お祈りしましょう。
天の父なる神様。
この御影ルーテル教会に会堂が与えられて50年、
これまでの導きをありがとうございます。
この教会に不思議な御業によってあなたがこのすばらしい会堂を与えてくださり、
今までその恩恵にあずかってまいりました。
ますますこの場所がイエス様と人々が出会い、交わりを持つ場として用いられていきますように。豊かなつながりづくりができて、イエス様と、人々との絆を実感しながら豊かな歩みができますように。
ますますこの会堂に、主の栄光が現れますように。
イエス様のお名前によってお祈りします。アーメン
報告
・本日は献堂五〇周年記念礼拝でした。昼食会があります。
Comments