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青年たちの聖書研究~第33回『アモス書』

  • 執筆者の写真: 明裕 橘内
    明裕 橘内
  • 2024年11月28日
  • 読了時間: 5分

【アモス書について】

・アモス書は、12の小預言書(ホセア書~マラキ書)の3番目にあり、ユダのウジヤ王、イスラエルのヤロブアム(二世)の時代に、アモスに語られた主の言葉である。

・アモスはテコアというベツレヘムの南9kmにある小さな町で、羊を育て(1:1)、いちじく桑を栽培する農夫であった(7:14)。「預言者ではなく、預言者の弟子でもない」と祭司アマツヤに言っている。しかし、北イスラエル王国の民とその指導者に語るべき言葉を主はアモスに与えられた。イスラエルにはアモス以前に多くの預言者がいたが、その言葉が書き残され、聖書の中の一書となったのはアモスの預言が最初と考えられる。

・アモスは「重荷を担う」という意味で、紀元前760年頃に示された預言を語った。

・アモスは南王国ユダの出身であったが、北イスラエル王国に対して、警告を与えた。

・アモスの預言は、北王国イスラエルでは裕福な者が貧しい人々を搾取しているので、主なる神は彼らを罰するというものであった。アモスの預言はイスラエルの近隣諸国に対する裁きの言葉から始められている。

・アモスが預言をしたヤロブアム二世の時代は他国の侵略に脅かされることもなく、イスラエルは豊かな国となっていた。しかし裕福な人々は貧しい人々を憐れむことはなかった。主なる神が望むのは、貧しい人々にも正義と公正をもって接し、主なる神のみに忠実であることであった。

 

【アモス書の内容】

1:1~6:14 イスラエルと近隣諸国に対する裁き 

1:1~2:5  イスラエルの近隣諸国に対する説教

ダマスコ、ガザ、ティルス、エドム、アンモン、モアブ、ユダの罪を、主は赦されない。

2:6~6:14  イスラエルに対する神の裁き

イスラエルの罪を、主は赦されない(2:6)。地上の全部族の中でイスラエルの民を主は選ばれたので、すべての罪を罰すると主は言われた(3:1)。弱い者を圧迫するサマリアの女性たちを主は裁かれる(4:1~3)。かつてのエジプトやソドムとゴモラの町のように裁くので、万軍の主なる神と出会う備えをせよ(10~13)と、イスラエルの民に語られた。主を求めよ、そして生きよ(5:6)。善を求めよ、そうすれば万軍の主なる神は共にいてくださる(14)。主の日(裁きの日)は暗闇である(18~20)。正義を洪水のように、恵みの業(わざ)を大河のように、尽きることなく流れさせよ(24)とは言われたが、イスラエルの民は偶像を担ぎ回っていたので(26)、万軍の主なる神はダマスコのかなた(アッシリア)にイスラエルの民を捕囚として連れ去ると語られた(27)。シオン(神殿があったエルサレムの丘)に安住し、サマリア(北王国イスラエルの首都、北王国全体を指す)で安逸をむさぼる者らは圧迫されると万軍の主なる神は言われた(6:1~14)。


7:1~9:15  イスラエルへの罰と再生の幻    

第一の幻  いなごの襲来。しかし主は思い直された。 

第二の幻  火。しかし主は思い直された。   

第三の幻  下げ振り(壁が垂直かどうかを確かめる道具)。これは、神の選びの民としての役割を果たしているかどうかを、神が計るということを意味している。

主はヤロブアムの家(北王国イスラエル)に戦いが起こると語られた(7:9)。ベテルの祭司アマツヤは、北王国イスラエルに預言しないようにと、アモスに言った(10~16)。イスラエルは捕らえられて、その土地から連れ去られると、主は言われた(17)。

第四の幻  夏の果物 (カイツ)。イスラエルに最後(ケーツ)が来た(8:1~3)。

貧しい者を踏みつけ、不正を行う商人の裁きが語られた(4~8)。   

その日が来ると、闇となり、主のことばを見いだせなくなる(9~14)。 

第五の幻  祭壇のかたわらに立っておられる主は言われた。「ヤコブの家を全滅させはしないが、罪ある者は死ぬ。」(9:1~10)

その日には修復して昔の日のように建て直す(11)。その日が来れば、わが民イスラエルの繫栄を回復する(13~14)。

 

【注目点】

同じ時代の預言者としてはホセア(イスラエルへの預言者)。アモスの預言活動が終わりに近づきつつあった頃、イザヤとミカが、ユダの民に対して、活動を始めた。

 

【質疑応答】

①1:1 「あの地震」とあるが、当時の人々にとって共通認識があるような大きな地震があったのか?

――ゼカリヤ書14:5にも記されていいます。紀元前760年ウジヤ王の治世にあったこの大地震は多くの被害が出たことで知られていました。


②1章と2章で「三つの罪、四つの罪」という表現があるが、これはこれだけの少ない罪という意味?

――「三つの罪、四つの罪」の合計で、七つの罪となり、「七」は完全数なので、すぺての罪を表していると考えられます。


③7:7の「下げ振り」とは何か。

――ひもの先におもりを付けて、壁などが垂直かどうかを確かめる道具。

神の選びの民としての役割を果たしているのかどうかを神が計るということを意味しています。


④9:7から、出エジプトは、主がイスラエル人を特別に選んだからだと思っていたが、ペリシテ人やアラム人も同様に導き上っていたのか?

――イスラエルの民は自分たちの移住を特別なものと理解していたが、神は他の民族をも導いたとアモスは語っています。


【感想】

・このアモス書が最初に書かれた預言書とされているというのは初めて知って驚いた。そういう意味でもっと注目されても良いのではないかと思った。

・罪を犯しているものが滅ぶと預言しながらも、思い直される神様の姿が書かれており、厳しい言葉だけでなく、神様に立ち返ろうとする人に対しては優しい側面も見せることを学べた。

(今回を含め、毎回学びを担当しているのは橘内玲子牧師です)

 
 
 

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