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  • 執筆者の写真明裕 橘内

続・毎日の黙想「コロナの時代を生きる」2022年3月5日(土)

更新日:2022年4月10日

99:あなたは主を避けどころとし/いと高き神を宿るところとした。

10:あなたには災難もふりかかることがなく/天幕には疫病も触れることがない。

11:主はあなたのために、御使いに命じて/あなたの道のどこにおいても守らせてくださる。

12:彼らはあなたをその手にのせて運び/足が石に当たらないように守る。

13:あなたは獅子と毒蛇を踏みにじり/獅子の子と大蛇を踏んで行く。

14:「彼はわたしを慕う者だから/彼を災いから逃れさせよう。わたしの名を知る者だから、彼を高く上げよう。

15:彼がわたしを呼び求めるとき、彼に答え/苦難の襲うとき、彼と共にいて助け/彼に名誉を与えよう。

16:生涯、彼を満ち足らせ/わたしの救いを彼に見せよう。」

(詩編 91編 9~16節)



四旬節に入って最初の土曜日となります。明日の交読文の箇所を今日も開いております。なぜこの詩編の言葉が、明日の聖書日課に入っているのでしょうか。それは、11節、12節にヒントがあります。


明日の福音書の箇所は、イエス様が荒れ野で誘惑に遭われる箇所です。そこでは、イエス様は悪魔と出会い、その誘惑を受けることになります。その誘惑の40日を乗り切り、何も食べておられなかったのでイエス様が空腹を覚えておられた時。その時を見計らって、悪魔はイエス様に、やれ「石をパンに変えてみよ」であるとか、「私を拝めば全世界を与える」であるとか、誘惑の言葉をかけてきます。最後に言ったのが、「神の子なら、ここから飛び降りたらどうだ」という何とも挑発的な言葉で、この後に何と悪魔の方が、


「こう書いてあるからだ。『神はあなたのために天使たちに命じて、/あなたをしっかり守らせる。』

また、/『あなたの足が石に打ち当たることのないように、/天使たちは手であなたを支える。』」(10,11節)


と、みことばの引用をしているのです。そして、そのもととなったのが、この詩編の91編11~12節だったのです。何と、悪魔でも聖書の言葉を知っているのですね。気を付けなければなりません。


みことばを用いたのだし、さぞかし効き目があっただろう、と悪魔が思う間もなく、イエス様はこれに対して、「『あなたの神である主を試してはならない』と言われている」(ルカによる福音書 4章12節)と決然とお語りになり、悪魔を撃退されます。悪魔としてはもう特に手立てはなく、「悪魔はあらゆる誘惑を終えて、時が来るまでイエスを離れた」(ルカによる福音書 4章 13節)となるのみでした。このたいへん緊迫した出来事の中で使われたのが、今日の詩編のみことばだったのです。悪魔の悪意から引用したみことばであっても、それがイエス様の力ある言葉を引き出す役目をしたに過ぎなかったのです。


このように、私たちの主は悪魔よりも強い方なので、私たちには平安があります。どんなにこの悪魔が私たちに誘惑の手を向けてきたとしても、イエス様にお任せするならば、イエス様の方で悪魔と戦って下さり、私たちの安寧を守って下さるのです。期待しましょう。




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