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執筆者の写真明裕 橘内

続・毎日の黙想「コロナの時代を生きる」2022年3月25日(金)

【本日のみことば】

27:天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」

28:マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。

29:すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。

30:あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。

(ルカによる福音書 1章 28~31節)


今日は教会の暦で言うと「主の誕生告知」の日です。いわゆる「受胎告知」のことですが、聖画にもあるようなこの出来事、クリスマスの出来事のように思っていますが、確かにクリスマスがイエス様のお誕生日であるならそのお誕生の告知はそれなりに前にあるはずですから、今日をその記念日とするのも不思議ではありません。


ここで「彼女」と言われているマリアに現れた天使は「ガブリエル」でした(26節)。「神の戦士」とも訳される名を持ち、戦いにおける能力の高さを暗示させるようなひとりの天使が、まだあどけなさも残していたかもしれないか弱き一人の少女のもとに遣わされる。不思議な取り合わせです。


しかも、彼は開口一番「おめでとう、恵まれた方」と言うのであって、最初から救い主誕生の告知を始めるのではありません。


 a.「おめでとう、恵まれた方」(27節)

 b.「主があなたと共におられる」(同)

 c.「マリア、恐れることはない」(29節)

 d.「あなたは神から恵みをいただいた」(同)


との四つもの言葉のプロセスを経て、ようやく


「あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい」(30節)


という、肝心な救い主誕生の告知にたどり着くのです。


このことは、この出来事がそれぐらいのプロセスを経て初めて語られるべきたいせつな出来事である、ということを表す一方で、そのような非日常的な告知よりも、主が共におられるという日常的な現実の方が実は重要である、ということを指し示しているかのようです。すなわち、マリアにとっては、主から見て恵まれており、その主が共におられ、恐れる必要なく、恵みをいただいて生きることの方がたいせつだ、ということです。


これは、マリア以外の、受胎告知を実際に体験することのできない人類の大多数にとって良い知らせでもあります。この告知こそ至高の幸福であるとか、人間が受けることのできる最高の祝福だ、と言うなら、人類の大半はそれを得ることが出来ないわけで、そのような祝福は祝福ではありません。むしろ、日々主と共に歩むところに、平凡であっても幸いが隠されている。ここに、祝福があるのではないでしょうか。


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