【結び】
[問い] これらの戒め全体について、神様は私たちに何とおっしゃっていますか。
[答え] 以下が神様の語っておられることです。 「わたしは主、あなたの神である。わたしはねたむ神である。 わたしを憎む者に対しては、祖先の罪をその孫、さらにその孫にまで負わせる。 しかし、わたしを愛する者に対しては千代に及ぶまで恵みを施す」
[問い] これはどういう意味ですか。
[答え] 神様はこれらの戒めを破る者をすべて罰すると警告を与えています。 それゆえ、私たちは神様の御怒りをおそれるべきであり、 これらの戒めに違反しないようにすべきです。 しかし、神様はこれらの戒めを守る者には恵みとすべての良い物を約束してくださいます。 それゆえ、私たちは神様を愛し、神様を信頼し、神様の戒めが求めることを喜んで行うべきなのです。
(結城浩訳 ルターの小教理問答書より)
先月で第十の戒めまで進んだのですが、ルターの小教理の十戒の項目にはその先に「結び」という部分があります。そこで、十戒についての教えのまとめをしています。
まずルターは、戒め全体についての神様のみこころとして、出エジプト記20章5~6節を示しています。この章は、十戒本文が記されている箇所として有名ですね。
その上で、ルターは何も飾らずに、御言葉通り、戒めを破る者には罰が、そして戒めを守る者には恵みとすべての良い物が約束されている、と述べます。ここに見られるのは「神様の御怒りをおそれる」「神様を愛する」という構図で、それぞれの戒めの説明の冒頭に加えられている「私たちは神を畏れ、愛さなければなりません」という前置きと合致します。
更に、「神様を愛する」に関しては、「神様を愛し、神様を信頼し、神様の戒めが求めることを喜んで行う」と、その意味が増幅されています。これは言い換えると、「神様を愛するとは、神様を信頼し、その喜ばれることを行うこと」ともなるのではないでしょうか。
戒めしかない世界では、私たちはただ神様をおそれるしかなかったのですが、その私たちへの慰めの良い知らせがある世界では、戒めは神さまへの愛を表す大事な手段として、私たちの前に現れるのです。
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